<各種磁性の特徴>
磁気の性質・磁性は前の章で話をしました磁気モーメントの並び方や大きさにより数種類に分類される。永久磁石を代表とする磁性材料のほとんどは「強磁性」という分類になる。
磁気の性質・磁性は前の章で話をしました磁気モーメントの並び方や大きさにより数種類に分類されます。まず、永久磁石を代表とする磁性材料のほとんどは強磁性という分類になります。
強磁性体では隣り合った原子の間に磁気モーメントの向きをそろえようとする相互作用が働いています。 そのため、各原子の磁気モーメントの向きが自発的にそろい、磁場をかけなくても磁化をもちます。これを「自発磁化」と呼んでいます。強磁性のうち、「フェロ磁性」はすべての磁気モーメントが一定方向にそろった自発磁化をもちます。また、「フェリ磁性」はある方向に並んだ磁気モーメントが逆向きのものより大きいか、数が多いため、トータルとして自発磁化をもつものを言います。
一方、大きな磁気モーメントを持ちますが、逆方向に打ち消し合って自発磁化を持たない磁性を「反強磁性」と呼んでいます。
また、外部磁界がゼロの時はランダムな磁気モーメントですが、外部磁界が加わると磁界の方向にわずかに揃う、つまり外部磁界にわずかに引き付けられる磁性を「常磁性」、磁界と逆の方向にわずかに揃って、ほんの少し反発する磁性を「反磁性」と言います。
ちなみに水は反磁性ですが、もし、とてつもなく強力な磁界を水にかけたとすると、反発して水は逃げるでしょう。これを「モーゼ効果」とも呼びます。「モーゼの十戒」で海が割れるシーンがありますが、何かの異変で何万テスラの磁界が目先の海にかけられたとすると、まったくありえない話ではないかもしれません。
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