熱プラズマ法による金属ナノ粉末合成技術の開発

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<磁石プロの視点>
 本研究は高性能磁石を実現するための粉体製造技術開発になります。前回の粉体製造技術と大きく異なることは、「サブミクロン粒子」ではなく「ナノ粒子」の合成を目的としていることです。
 歪の無いナノ粒子が可能となり、且つバルク化できれば、磁石素材が有する大きな異方性磁界を効率的に利用できます。その結果、希少な添加金属を使うことなく、超高性能永久磁石(ポストネオジム磁石)や超高耐熱永久磁石の実現が期待できます。
 ただし、ナノ金属粒子の取り扱いは非常に難しいため、量産化については当分先の話となりそうですが、ポストネオジム磁石の実現に向けての希望を持てる方法の一つといって良いでしょう。
以下、産総研のホームページをご紹介いたします。

産総研の永久磁石研究開発-4】*産総研ホームページより
<熱プラズマ法による金属ナノ粉末合成技術の開発>
 本研究は、易酸化金属ナノ粒子を合成する技術を開発し、永久磁石材料や金属基複合材料への展開を見据えています。そこで我々は、熱プラズマプロセスに注目して、金属ナノ粒子合成を行っています。
高周波電磁誘導によって作られた熱プラズマは、最高温度は約1万Kに達し、このプラズマ流に投入された固体金属は瞬時に金属蒸気となった後、均一核生成・不均一凝縮を経て微粒子(粒径数300 nm以下)になります。本プロセスは高融点金属でも、トップダウンでの微細化が難しい展延性金属でもナノ粒子化することができる、物理ボトムアッププロセスです。しかしながら、金属ナノ粒子粉末は酸素、水と非常に反応性が高く、大気ではそのまま扱うことが非常に困難です。そこで、低酸素雰囲気で粉末の回収・評価を行うことができるように改造し(左図)、酸化膜がほぼ無いAl粉末やFeCo合金粉末の合成に成功しています(右図)。

熱プラズマ法による金属ナノ粉末合成


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