(CNN) 米アラバマ州やカリフォルニア州北部では10日夜、強力な太陽フレアやコロナ質量放出の影響で、色鮮やかなオーロラが観測される可能性がある。米国立気象局の宇宙予報センターが明らかにした。宇宙予報センターの当局者によると、この強力な太陽嵐は5段階でレベル4に位置付けられ、通信や送電網、人工衛星の運用に支障が出る可能性もあるという。
米東部時間の10日早朝から正午の時間帯に地球に到達する見通しで、その影響は11日いっぱい続く可能性がある。
嵐の強力さや全容については、地球から160万キロの距離を周回する深宇宙気候観測衛星(DSCOVR)や先進組成探査機(ACE)に到達するまで分からない。地球に向かう移動速度は時速約400万キロを超える。
DSCOVRとACEは太陽嵐のスピードや磁力を測定する。宇宙予報センターの調整役を務めるショーン・ダール氏は9日の記者会見で、太陽嵐が地球に届くのは、両観測機に到達してから15~30分後になる見通しだと説明した。
太陽からは今週、「Xクラス」に分類される最強水準の太陽フレアが放出された。これと時を同じくして、8日にはコロナ質量放出も起きた。コロナ質量放出とは、プラズマと呼ばれる巨大なイオン化ガスの雲や磁場が太陽の外側の大気から放出される現象を指す。これが地球に向かうと「磁気嵐」を引き起こし、地球の磁場は大きな混乱に陥る。
宇宙予報センターによると、「磁気嵐は地球近傍軌道や地表のインフラに影響を与える可能性がある」という。これを受け、同センターは連邦緊急事態管理庁(FEMA)や北米の送電網、人工衛星の運営者に混乱へ備えるよう呼び掛けている。歴史的にみると、G4の磁気嵐は太陽サイクルの中では珍しくないが、今年5月10日発生したような極端に強力なG5の嵐は非常にまれだと、ダール氏は指摘する。今回の新たな嵐がG5になる可能性は25%だという。
<磁石プロの視点>
次の図は、直近2024年までの太陽活動の勢いを表す黒点数の推移です。この図からもわかりますように、現在、太陽は極大期に入っているようです。黒点活動も活発で、太陽フレア(太陽表面の大爆発)とコロナ質量放出(CME)を誘引し、これらが地球大気と磁場に影響を与えて、オーロラを低緯度でも見ることができます。10月10日だけでなく。これからも「強力な太陽フレア発生」は頻繁に起こるかもしれません。宇宙船、宇宙飛行士へのリスク増大や地球の配電網への影響がでる恐れは続きます。この種の情報は、皆さん注意していてください。
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