<省ネオジム耐熱磁石>
トヨタ自動車は、「高耐熱ネオジム磁石に必要な希土類(レアアース)の中でも希少な重希土類のテルビウムやジスプロシウムを使わないだけでなく、ネオジムの一部を、希土類の中でも安価で豊富なランタン(La)とセリウム(Ce)に置き換えることでネオジム使用量も削減した」新開発磁石を発表した。
(2018年2月:トヨタ自動車プレスリリース)
ネオジムは、強力な磁力と耐熱性を保持する上で、大きな役割を占めており、単にネオジム使用量を削減しランタンとセリウムに置き換えただけでは、モーターの性能低下につながる。そこで、ランタンとセリウムに置き換えても、磁力・耐熱性の悪化を抑制できる新技術の採用により、ネオジムを最大50%削減しても、従来のネオジム磁石と同等レベルの耐熱性能を持つ磁石を開発することができた。
開発ポイントおよび新技術は、
(1) 磁石を構成する結晶粒の微細化
(2) 結晶粒の表面を高特性にした二層構造化
(3) ランタンとセリウムの特定の配合比
トヨタ自動車は、「高耐熱ネオジム磁石に必要な希土類(レアアース)の中でも希少な重希土類のテルビウムやジスプロシウムを使わないだけでなく、ネオジムの一部を、希土類の中でも安価で豊富なランタン(La)とセリウム(Ce)に置き換えることでネオジム使用量も削減した」新開発磁石を2018年2月,
発表しました。
ネオジムは、強力な磁力と耐熱性を保持する上で、大きな役割を占めており、単にネオジム使用量を削減しランタンとセリウムに置き換えただけでは、モーターの性能低下につながります。そこでトヨタは、ランタンとセリウムに置き換えても、磁力・耐熱性の悪化を抑制できる新技術の採用により、ネオジムを最大50%削減しても、従来のネオジム磁石と同等レベルの耐熱性能を持つ磁石を開発することに成功しました。
開発ポイントおよび新技術は、(1) 磁石を構成する結晶粒の微細化、(2) 結晶粒の表面を高特性にした二層構造化、(3) ランタンとセリウムの特定の配合比 となります。
さらにそれらの技術の詳細をみると、
(1)磁石を構成する結晶粒の微細化技術では、磁石を構成する結晶粒を、従来のネオジム磁石の1/10以下にまで微細にし、結晶粒と結晶粒の間の仕切りの面積を大きくすることで保磁力を高温でも高く保つことができるようになりました。
(2)結晶粒の表面を高特性にした二層構造化技術)では、従来のネオジム磁石は、ネオジムが磁石の結晶粒の中にほぼ均等に存在していて、多くの場合、磁力維持に必要な量以上のネオジムが使用されています。そこで、保磁力を高めるために必要な部分である磁石の結晶粒の表面のネオジム濃度を高くするとともに内部を薄くした二層構造化により、効率良くネオジムを活用することができ、使用量の削減が可能となりました。
さらに、(3)ランタンとセリウムの特定の配合比の技術では、ネオジムにランタン・セリウムなどの軽希土類を単純に混ぜると、磁石の特性(耐熱性・磁力)が大きく低下するため、軽希土類の活用は難しいとされていました。これを解決するためにトヨタは、産出量が豊富で安価なランタンとセリウムを様々な配合比で評価した結果、特定の比率で混ぜると特性悪化を抑制できることを見出しました。
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