<保磁力分布ネオジム磁石>
次図は前ページの粒界拡散磁石の応用技術を紹介したもので、信越化学工業が発表している。磁石の一部をジスプロシウムの濃度を高めた「塗布型の粒界拡散磁石」になる。
この図は前ページで紹介しました粒界拡散磁石の応用技術を紹介したもので、信越化学工業が発表しています。ひとつひとつの磁石の一部をジスプロシウムの濃度を高めた塗布型の粒界拡散磁石になります
(a)のような表面磁石型SPMモータでは、(b)のように磁石は、回転方向後ろ側の端部が減磁しやすくなります。なぜかと言いますと、この部分では動的なパーミアンス係数が低くなるためです。
そこで(c)のように粒界に拡散させるジスプロシウムの濃度が端部に行くほど高くなるようにして保磁力Hcjに差をつけます。
そうすることによって、従来品よりも少ないジスプロシウム量で、端部を減磁しにくくすることが可能になります。既存の磁石と同形状の磁石にこうした粒界拡散を適用した場合の減磁率を比較した図が(d)になります。
このように、ジスプロシウムを低減させる技術をメーカー各社が開発して実用化していることをご紹介しましたが、さらにジスプロシウムゼロを目指す磁石、ネオジムまでもゼロにする新しい考え方の磁石、現在のネオジム磁石を凌駕する超高性能磁石、などを現在大学や公的研究機関で研究中ですので、今後の成果を期待しましょう。
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