80. 世界の国別レアアース埋蔵量と生産量

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<レアアースの埋蔵量・生産量>
ネオジム、ジスプロシウム、サマリウムなどの希土類元素は酸化物やフッ化物の形で希土類鉱石の中に複数種含有されている。この中で最も希土類の埋蔵量が多い国は世界の約36%を占める中国で次にブラジル、ベトナム、ロシア、インドの順になる。
埋蔵量のトータルはおおよそ
1億2千万トンで、現在の世界の酸化物換算の希土類使用量年13万トンを基準に計算しても約900年分になり、埋蔵量だけを考えると名前のような希少金属ではない。
ところが実際の希土類鉱石の
産出量は中国がほぼ80%であり、ほとんどを中国に頼っているということになる。ネオジム磁石の原料希土類金属も例外ではなく、ほとんどが中国生産品ということになる。

ネオジム磁石合金はおおよその重量比で、ネオジム(Nd)23~30%、ジスプロシウム(Dy)2~10%、鉄(Fe)60~65%、ホウ素(B)1%、その他コバルト、銅、アルミニウムなどの成分から構成されています。磁石メーカーのほとんどは、これら原料金属は原料メーカーから購入しています。

ネオジム、ジスプロシウム、サマリウムなどの希土類元素は酸化物やフッ化物の形で希土類鉱石の中に複数種含有されています。この中で最も希土類の埋蔵量が多い国は世界の約36%を占める中国で、次にブラジル、ベトナム、ロシア、インドの順になります。

埋蔵量のトータルはおおよそ1億2千万トンで、現在の世界の酸化物換算の希土類使用量年13万トンを基準に計算しても約900年分になり、埋蔵量だけを考えると名前のような希少金属ではありません。
ところが実際の希土類鉱石の産出量は中国がほぼ80%であり、ほとんどを中国に頼っているということになります。ネオジム磁石の原料希土類金属も例外ではなく、ほとんどが中国生産品ということになります。
したがって、中国以外の磁石メーカーにとっては、原料金属の調達先をなるべく中国以外の国に広げることと、希土類金属そのものの使用を減らしたり、ゼロにする磁石の開発が重要となってきています。
現在、磁石に使用する主要組成のネオジムを大きく減らしたり、ゼロにする技術はメーカーや大学などの研究機関で研究・開発中ですが、実用化にはまだ時間がかかりそうです。

一方、当面急いで開発したいのが、ジスプロシウムを削減したネオジム磁石です。というのも、保磁力Hcjを改善する目的のジスプロシウムの埋蔵量や生産量が問題であり、中国の一部の鉱石だけに少量の割合でしか含有されていないこともあり、価格が高く、しかも価格変動が激しいのです。さらに政治的思惑で生産が左右される可能性もあります。

現在、ネオジム磁石の成分中のジスプロシウムの使用を大幅に減らすかゼロにすることを磁石メーカーが急がなければならない大きな技術課題となっています。

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