78. ネオジム磁石の着磁率と不可逆減磁

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<ネオジム磁石の着磁率と不可逆減磁 >
ネオジム磁石は着磁が不十分だと初期の磁気特性値が低下するだけではなく、減磁曲線の角型性も低下する場合が多いため、温度が戻っても動作点の戻りが極端に悪くなり、熱による不可逆減磁が大きくなる。ネオジム磁石の着磁は、通常、着磁コイルを使用した「コンデンサーパルス着磁器」を使う。磁石の材質、形状、着磁をする数量などによって「フル着磁」の電源パワーは異なってくるが、少なくとも
電圧1500ボルト(V)、コンデンサー容量2000マイクロファラッド(μF)程度の電源は必要。

この図はNEO45SH材でパーミアンス係数2.0の磁石を100%フル着磁をした場合と75%、50%着磁の場合の温度に対する不可逆減磁を比較したものです。

当然ですが、飽和磁束密度まで着磁をしませんと磁化曲線はマイナーループとなり、Brの値もHcj、Hcbの値も低下します。それぞれのデータは着磁後の室温の初期値に対しての数値となります。ご覧のように、着磁が不十分だと初期の磁気特性値が低下するだけではなく、減磁曲線の角型性も低下する場合が多いので、前の章でお話をしましたように、温度が戻っても動作点の戻りが極端に悪くなり、熱による不可逆減磁が大きくなります。

なお、ネオジム磁石の着磁は、通常、着磁コイルを使用した「コンデンサーパルス着磁器」を使います。磁石の形状、一度に着磁をする数量などによってフル着磁の電源パワーは異なってきますが、この図にあるように、最低でも1500ボルト、2000マイクロファラッド程度の電源は必要かもしれません。詳細は、ネオジム磁石の製造方法の中の着磁工程のページを参照してください。

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