71.ネオジム磁石の材質別磁気特性分布

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<ネオジム磁石の材質別特性分布>
特性分布図の縦軸の上に行くほど残留磁束密度Brおよび最大エネルギー積(BH)maxは大きくなり、右に行くほどHcjが大きくなる。どのメーカーの製品もBr値が高い製品はHcjが低く、Hcj値が高い製品はBr値が低くなる傾向になっている。
 このように、H、SH、EH等の材質シリーズによりHcjの値が異なり、また熱による不可逆減磁はHcjの大きさに敏感であるため、ネオジム磁石の使用温度を考慮して、最適な材質を選定する必要がある。

ネオジム磁石の材質別磁気特性分布

各種ネオジム磁石の熱減磁の様子を解析する前に、ネオジム磁石の材質にはどのような種類があり、その磁気特性はどのようになっているかを確認してみましょう。

ネオジム磁石には世界共通の正式に決められた名称や磁気特性規格値はないため、メーカーごとの規格値の詳細は少しずつ異なっています。ただし、おおよその特性値は共通していると言ってよいでしょう。
各メーカー共にこの図のようなナニナニ52、ナニナニ48H、ナニナニ45SH、ナニナニ42UH、ナニナニ38EH等の名称を付けているのがほとんどです。メーカーごとの製品名ナニナニの後の数字は最大エネルギー積BHmaxを表し、数字の後のアルファベットは保磁力Hcjの大きさの目安を表しています。アルファベットが付かないものはHcjが最も小さく、H、SH、UH、EHの順に保磁力Hcjが大きなシリーズとなります。

特性分布図の縦軸の上に行くほど残留磁束密度Brおよび最大エネルギー積BHmaxは大きくなり、右に行くほどHcjが大きくなります。どのメーカーの製品もBr値が高い製品はHcjが低く、Hcj値が高い製品はBr値が低くなる傾向になっています。
このように、SH、EH等のシリーズによりHcjの値が異なり、また熱による不可逆減磁はHcjの大きさに敏感ですので、ネオジム磁石の使用温度を考慮して、最適な材質を選定する必要があります。

それでは、次からネオマグのネオジム磁石分布図左側の高Br、低HcjシリーズからN50を、中心付近の中Br、中HcjシリーズからN45SHを、右側の低Br、高HcjシリーズからN38EHを順次選んで比較検討してみましょう。

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