69.ネオジム磁石の温度特性と減磁曲線

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<減磁曲線の温度変化>
この図は磁気履歴曲線(ヒステリシスループ)の第二象限の減磁曲線、JH曲線とBH曲線で、ネオジム磁石N50材を20℃、50℃、100℃、150℃、200℃で温度係数を元にシミュレーションした結果である。
このようにネオジム磁石は温度が上昇すると、その温度における各種磁気特性が低下するので、使用環境での温度変化を十分考慮しておかなければならない。

この図は永久磁石の磁気特性と磁化曲線の章でお話をしました磁気履歴曲線(ヒステリシスループ)の「第二象限の減磁曲線」「JH曲線」「BH曲線」で、ネオジム磁石Neo50材を20℃、50℃、100℃、150℃、200℃の各温度でシミュレーションした結果です。

20℃から温度を上げてゆきますと、温度係数にしたがって残留磁束密度Brと保磁力HcjおよびHcbが低下してゆきます。
そして150℃では「Brの温度係数-0.12%/℃」にしたがって、150℃-20℃=130℃ 130x-0.12%=15.6% つまり15.6%、約0.22Tも低下してしまいます。

同様に保磁力HcjはN50の「温度係数が-0.55%/℃」ですから、150℃では約70%、780kA/mも低下してしまいます。またHcbもほぼ同じような比率で低下します。

(BH)maxで見ると20℃では約50MGOe、400kJ/m3が150℃では30MGOe、240kJ/m3 にやはり大きく低下しています。

このようにネオジム磁石は温度が上昇しますと、その温度における各種磁気特性が低下しますので、使用環境での温度変化を十分考慮しておかなければなりません。

なお、50℃以上では青色のBH曲線に折れ曲がりができていますが、このことが次の章でお話をする不可逆減磁の元になりますので覚えておいてください。

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