<各種永久磁石のHcjの温度変化>
グラフは保磁力Hcjの20℃を基準とした温度変化率を示したもので、各磁石のHcjの温度係数によって、温度変化率も異なっている。
Hcjの温度係数β=(HcjH–HcjL)/{(HcjLx(TH-TL)}x100(%)
Hcjの温度変化率⊿HcjT=βx(T-T20)x100 (%)
であらわされる。
ネオジム磁石の温度変化はサマコバ磁石に比べて大きく、温度が上昇するとHcjの低下は大きなものとなり、不可逆減磁、不可逆温度変化の原因となる。
これは前のページと同様に「ネオジム磁石」、「サマコバ磁石」、「フェライト磁石」の20℃を基準とした「保磁力Hcjの温度変化率」を示したグラフです。これも各磁石の温度係数によって、温度変化の様子が異なっています。各温度のHcjの値はその温度で測定した結果の数値を意味しています。ネオジム磁石の温度変化はサマコバ磁石に比べて大きく、温度が上昇するとHcjの低下は大きなものとなっていて、これが後の章でお話をする不可逆減磁、不可逆温度変化の原因となります。なおネオジム磁石のHcjの温度変化はBrと同様材質が異なっても大きな違いはありません。
一方、フェライト磁石のHcjの温度係数がマイナスであるため、室温より温度が低くなるとHcjは小さくなり、これは「低温不可逆減磁」の原因となります。
これらの温度変化は、温度が元に戻って測定しなおせばHcjの数値も元にもどります。
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