61.永久磁石のギャップ距離と空間磁束密度

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<磁石-磁石間・磁石-鉄板間の磁束密度>
基準磁石からのある距離の空間磁束密度は、何もない空間の場合、鉄板が置かれている場合、磁石が置かれている場合で異なってくる。相手が鉄板の場合は何もない場合の2倍の大きさ、相手が磁石の場合はそれぞれの磁石からの空間磁束密度を加算した大きさになる。
したがって、
空間磁束密度の大きさは、磁石単体<磁石と鉄板間<対向した磁石間、となる。

磁石-鉄板および磁石-磁石のギャップ距離と空間磁束密度

このページでは、磁石からの「ギャップ距離」に応じて「空間磁束密度」がどのように変化するかをみてみましょう。
サンプル磁石はパーミアンス係数が2の角形・長方形のネオジム磁石です。これらのデータも磁束のモレがないとした近似計算の結果となります。また、ここでは4種類の条件についての磁束密度について調べてみました。

一つは「空間の任意の位置での磁束密度A」の場合、二つ目は「鉄板表面での磁束密度B」の場合、三つめは「NS対向して磁化した同じ磁石表面上の磁束密度C」の場合、四つ目は「NS対向した同じ磁石の中間位置での空間磁束密度D」の場合です。

まず、Aの場合ですが、何もない空間での磁束密度は当然ながら磁石からの距離が大きくなるにつれて低下してゆきます。
次に鉄板表面の磁束密度Bは距離ゼロからすべての距離において、相手の鉄板も磁石もない空間での磁束密度Aの2倍、B(X)=A(X)x2になります。どうしてかといいますと、鉄板はその位置での磁石の空間磁束密度と同じ磁束密度で磁化されるためです。したがって、磁石の空間磁束密度と磁化された鉄板の磁束密度が加算されるためだからです。

さらに向かい合った磁石の表面での磁束密度Cは相手磁石の表面磁束密度C(0)と自分の空間磁束密度A(X)が加算されるため、Aの場合のひとつの磁石の空間磁束密度より、またBの場合の鉄板表面の磁束密度より大きな値になります。
ただし、Bの磁石と鉄板、Cの磁石と磁石は距離ゼロでは同じ磁束密度になります。この理由は、磁石が鉄板に付いた状態では鉄板も磁石に磁化されて磁石と同じ磁束密度になるからです。

最後にNS向かい合った同じ磁石の中間点2分の1Xの距離ではどのようになるでしょうか。
任意の中間点では、それぞれの磁石からのその位置での空間磁束密度を加算した大きさになりますから、D(2分のX)=A(2分のX)+C(2分のX)つまりAとCは同じですからA(2分のX)の2倍となります。これは、B(2分のX)とも同じであり、NS向かい合った同じ磁石の中間点2分の1Xの距離の空間磁束密度は、同じ位置の鉄板上での磁束密度と同等の値となります。
言い換えますと、片方の磁石からみると、相手磁石との2分の1距離に鉄板があることと同じことになります。

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