59.永久磁石の形状と表面磁束密度・空間磁束密度

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<磁石の形状と磁束密度の関係>
磁石の厚み(高さ)が大きいほど磁束密度は大きくなるが、ある大きさ以上になると磁束密度の増加は飽和する。また、磁石の裏側に鉄板などのヨーク材をつけると、磁石の厚みが2倍になったと同じ効果を得ることができる。
空間磁束密度」は磁石の形状によって変わってくる。空間磁束密度は測定位置と磁石との距離の二乗にほぼ反比例するので、距離が大きくなるにつれて急速に低下してゆく。

表面磁束密度・空間磁束密度とパーミアンス係数の関係

このグラフは横軸に磁石の厚みまたは高さ、縦軸に磁束密度をとって、ネオジム磁石N50の鉄板と磁石のギャップ距離X=0の「表面磁束密度」およびギャップ距離X=5mmの場合の「空間磁束密度」「パーミアンス係数」との関係を示したものです。
ごらんのように、磁石が厚くなる、すなわちパーミアンス係数が大きくなるにしたがってある程度の厚さまで表面磁束密度も空間磁束密度も急激に増加してゆきます。
そして、パーミアンス係数が3あたりから徐々に磁束密度の増加量が減って飽和してゆきます。
このことは、磁石の厚み(高さ)が大きいほど磁束密度は大きくなりますが、ある大きさ以上になりますと磁束密度の増加は期待できなくなるということを意味しています。

また、磁石の裏側に鉄板などの「ヨーク材」をつけますと、磁石の厚みが2倍になったと同じ効果を得ることができます。
このことから、材質や直径などの寸法が決まっていてもう少し磁束密度が欲しいという場合は、磁石の厚みが薄ければ磁石を厚いものにしたり、複数個重ねたり、鉄板を「バックヨーク」として磁石につけたりすることで解決できることがあります。

また、空間磁束密度は同じ材質、同じ距離でも磁石の形状によって変わってきます。さらに、測定位置と磁石との距離の二乗にほぼ反比例しますので、距離が大きくなるにつれて磁束密度は急速に低下してゆきます。

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