<各種永久磁石の主成分(組成)>
このページは、主な磁石の主成分と代表的な成分量を示しています。それぞれの成分量は磁石の材質、グレードあるいはメーカーや製造法の違いによって若干異なってきますが、この図の成分量は代表的な数値をあらわしています。
ネオジム磁石は、前の章で説明をしたように、その結晶はNd2Fe14B1の化合物が主体です。したがって、その主成分は希土類である「ネオジム・Nd」と遷移金属の「鉄・Fe」および「ホウ素(ボロン)・B」となります。また、保磁力Hcjを大きくするためにやはり希土類である「ディスプロシウム・Dy」を含んでいます。ディスプロシウムはネオジム磁石の材質によってその含有量は変わってきます。また、メーカーによっては銅、コバルト、アルミニウム、テルビウムなどの添加元素を少量加えることがあります。
サマリウムコバルト磁石はSm2Co17という化合物が主体ですが、磁化を大きくするために「鉄・Fe」を加えたり、保磁力Hcjを大きくするために「銅・Cu」を加えたりしています。
フェライト磁石は酸化物の磁石ですから、その成分も酸化物となります。最も多く含有しているのが「酸化鉄・Fe2O3」で次に「酸化ストロンチウム・SrO」です。そのほか各種磁気特性を良好にするために、希土類の「ランタン・La」や「コバルト・Co」を添加することがあります。
アルニコ磁石の主成分は名前の通り、「アルミニウム・Al」、「ニッケル・Ni」、「コバルト・Co」を含んでいますが、最も多い成分は「鉄・Fe」です。ほかに「銅・Cu」が加えられています。
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