19.ネオジム磁石誕生の裏話

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<ネオジム磁石発明の原点>
日本のネオジム焼結磁石の世界的特許は当時の住友特殊金属株式会社の佐川眞人博士が中心となって出願した。しかし、その発明の原点は佐川博士が富士通株式会社の研究所に在籍していた頃だった。

日本のネオジム焼結磁石の世界的特許は当時の住友特殊金属株式会社の佐川眞人博士が中心となって出願されました。しかしながら、その発明の原点は佐川博士が富士通株式会社の研究所に在籍していた頃でした。左の図は1971年1月の当時の科学技術庁金属材料技術研究所においての「希土類磁石の基礎から応用まで」というシンポジウムの予稿集の表紙です。佐川博士はこの頃希土類化合物を応用した感温センサーを研究していて、何か参考になるのではないかとこのシンポジウムに参加していたそうです。この時、佐川博士は浜野博士の希土類とコバルトの化合物の磁性に関する発表を聴講していて、高性能永久磁石の開発のヒントを得たようです。実は、赤線で示しましたように当時30歳の私もこのシンポジウムで希土類コバルト磁石の開発について発表していました。まさに、世紀の発明のスタートラインに私も並んでいたのですが、残念ながら重要なヒントを見逃していたわけです。

当時の話は上図の右に概要を記述していますが、佐川博士が著書や数々の講演で詳細にお話をしていますので、機会がありましたら是非、著書を読むか、講演をお聞きになってください。

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