<ギルバートの磁石論>
1600年前後、エリザベス一世の主治医であったウィリアム・ギルバートは忙しい合間をぬってさまざまな実験を行って、「磁石論」をまとめていった。
磁石論の功績は、“地球は巨大な磁石である”という主張や“磁石は吸引力と反発力を持っていて、磁力(磁気)が大きな力を生み出す“という予測、また”摩擦電気による力とは異なる物理現象である“と結論づけたことなど、後の電気磁気学の基礎を作り上げたことと言われている。
イギリス王立医学学校の教授でエリザベス一世の主治医であったウィリアム・ギルバート(1540~1603年)は、医学の他に電気磁気学に興味を持ち、忙しい合間をぬってさまざまな実験を行っていました。また、彼は同時代のイタリアの科学者、カルダーノ、デッラ・ボルタ、ガルツォーニ等の影響を受け、実験と彼らの論文を参考にしながら「磁石論」をまとめていったようです。
磁石には両極(a極、b極)があり、小さく切っても2極になることや、船員の羅針盤の針の伏角(水平面からNまたはS極が下を向く角度)の話から地球内部に大きな磁石がある可能性を見つけたこと、磁石によって将来、永久機関が作れることなどが記述されています。
正否はともかく、磁石論の功績は、“地球は巨大な磁石である”という主張や“磁石は吸引力と反発力を持っていて、磁力(磁気)が大きな力を生み出す“という予測、また”摩擦電気による力とは異なる物理現象である“と結論づけたことなど、後の電気磁気学の基礎を作り上げたことと言われています。但し、彼自身が最初に発見したものは少なく、特にカルダーノは実験によって、摩擦電気による吸引力と磁石による吸引力にはさまざまな異なる現象があるという著書をギルバートより以前に発表していました。
当時の科学者達の著書の内容や以前からの事象を実験によりその確認と証明をして系統づけたことが、ギルバートの重要な功績であったといえるでしょう。
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